基本的な考え方~鍼灸師として~。 名古屋市千種区本山駅 鍼灸治療専門 なかやま鍼灸院

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鍼灸ブログ

基本的な考え方~鍼灸師として~

なかやま鍼灸院の考え方 2015.09.17

さまざまな物事について、考え方は人それぞれです。誰の考え方も否定されるべきではなく、正解はあっても間違いはないと思っています。以下の文章についても、一人の鍼灸師として知識や経験を踏まえた上での、あくまで個人的な考え方です。自分とは違う誰かの考え方を否定するつもりはありません。私は私なりの考えを持ち、自分の信念に沿った行動をとりたいと考えています。

以下の文章は、あくまで私個人の見解であり、あくまで私個人の立ち位置だと思ってお読みください。

治療に際して、治療者としての気持ち

他ならぬ自分自身の健康のことであれば、受け身でいてはいけません。治療を「受けて」治すのではなく、「自らの手で」生活習慣を改めるなどして症状を改善させようとする気持ちが大切です。昔から「快眠・快食・快便」と言ったりもするように、食事や睡眠や排泄などは健康であることにとって重要な意味を持つからです。鍼灸やその他の治療の役割は、「良くなりたいと願う人を助け、支え、キッカケを与え、背中を押すこと」だと思っています。
なかやま鍼灸院には、医師・看護師・薬剤師・理学療法士・作業療法士・介護士・ケアマネージャー・柔道整復師・カイロプラクター・整体師の方など、医療や福祉や健康サービスのお仕事をされている方々もご来院されています。私がする治療は誰にでも変わらず、患者さんの症状を少しでも楽にすることが目的なのですが、状態についての説明が少し省けて楽な半面、少し余計に緊張もしてしまいます。それら医療や福祉や健康サービスの仕事に従事されている(心身の専門家の)方々に評価され、くり返しご来院していただけることも、ありがたく思っています。
語弊はありますが、鍼灸治療の可能性は無限だと思っています。それは、不可能を可能にするのではなく、本来あるべき姿に戻すというニュアンスで、です。患者さんとの出会いを貴重なご縁と思い、一回一回の治療を大切に、誠意を持って、心を込めて施術しています。
私の説明や治療技術が至らないことが原因でしっかり治療ができず、患者さんに満足した効果を得ていただけない時には、悔しい気持ちになります。患者さんに対して申し訳なく思います。苦い経験を知っているからこそ、患者さんに喜ばれたいと願い、喜ばれ感謝されることに救われています。治療者自身は、患者さんによって日々治療されているのだと感じています。「もっと早く(なかやま鍼灸院へ)来ていればよかった」との声を聞くことが度々あります。このホームページをご覧になったことをきっかけに、快適な生活への一歩を踏み出していただければ幸いです。

久しぶりにご来院される患者さんについて

何年も同じ治療院で仕事をしていると、以前当院に通院されていた方が久しぶりにご来院されることがあります。もちろん、身体に何も問題なく過ごしていただけているほうが良いのでしょうが、いざという時に頼っていただけるということは、嬉しく思います。
当院は「治療院」ですので、目標に向かって一緒に進んでいくスタイルです。患者さんと施術者に上下はなく、対等な立場で役割が違うのだと考えています。目的を達成するためには、患者さんが思っている以上に努力が必要なこともあります。そして、状態が良くなった後には再発予防・健康管理という形で継続して治療を受けていただくことをお勧めしています。となると、どうしても、私が治療を継続するべきだと考える状況でも患者さまがご来院されなくなってしまうケースが出てきます。患者さんにもいろいろご都合もあるでしょうから、それは仕方のないことだと思っています。健康管理に意識を高く持てないのはそれだけ状態が良いからでしょうし、なかやま鍼灸院以外にも鍼灸院はありますし、私が世界で一番の治療者でもないからです。
しかし、それでもまたご来院いただき、私に期待をしていただけるのであれば嬉しく思います。技術や人間性を磨き続けることで、前回以上にご期待に沿えるよう対応させていただきます。お久しぶりの方、大歓迎です。お気軽にご連絡くださいね。

施術者自身の経験について

私もつい言ってしまうことがあるのですが、意外に多いのが「私もこの病気で苦しんだので気持ちがよく分かります」「私もこの競技をしていたのでよく分かります」などの、「私も同じことを経験したので気持ちが分かります」という施術者の言葉です。施術者がそう言いたい気持ち、よく分かります。素直な感想でしょうし、実際、患者さんの気持ちをよく分かっている「つもり」になっているのでしょう。
私は、「他人の気持ちの100%を分かることはできない。しかし分かろうとする気持ちが大切だ」と考えています。多くの患者さんは、自分が一番つらいと思っており、自分のつらい症状を施術者に理解してほしいと思います。しかし施術者はそこで「私も同じことを経験したので分かります」と言ってはいけないと思うのです。なぜなら、「苦しみは人それぞれで、決して同じではないから」です。個人個人の苦しみはそれぞれで、それら全てを一緒にしてしまうことは、その人に対して失礼になるとも思っています。例えば同じ腰痛でも、人生を賭けた勝負にそのせいで負けてしまった腰痛と、一日で痛みが軽減した腰痛では、同じつらさだとは言えないと思うのです(そこに、どちらのほうがよりつらい、ということはありません。全ての人にとって、自分(とその人が大切に思う人)の症状のほうがよりつらいのです)。
また、「自分も経験したことがあるから分かる」ということはつまり「自分は経験したことがないか分からない。」ということになってしまうのではないでしょうか?自分に経験のある症状のみを施術対象にしているのであればそれで構いませんが、そうでなければ、「自分の経験のあるものは分かる、経験のないものは分からない」になってしまい、それでは治療者としてのレベルが低いと思うのです。例えば、腰痛に対して「自分もなったことがあるからその気持ちが分かる」と言う人は、アトピー性皮膚炎に対して「自分はなったことがないからその気持ちは分からない」ということになってしまいませんか?それでは、男性に生理痛のつらさは分かりません。交通事故に遭ったことがない施術者は、むちうちの患者さんのつらさを分かりません。
私は、自分に経験のない症状のつらさも理解したいと思っています。その人の、その人だけのつらさを尊重しながら、同じ症状でつらい思いをされていた患者さんのつらい話に重ね合わせ、その人のつらさを理解できるよう努めています。まだまだ若輩者ですが、病院では治らない症状を抱えた患者さんが多く来院される鍼灸治療専門の臨床家として歩んできたぶん、さまざまな人のさまざまな苦しみに触れてきました。
あなたの気持ちが分かります、とは言えませんが「あなたの気持ちを分かりたい」と思っています。

NO PAIN NO GAIN

人は誰でも「現状維持バイアス」という感情を持っているそうです。「今の状況・状態を保とうとして無意識に働く気持ち」のことです。つまり「現状を変えるためには勇気を必要とする」と言い換えてもいいかもしれません。苦しい状況は誰だって嫌なはずですが、その苦しい状況ですら保とうとする気持ちが、心の奥にはあるのです。苦しい状況を変えるという当たり前に感じられる行動にも、勇気と決断が要るのです。
なぜ人間は、無意識に現状を保とうとしてしまうのでしょう?それは、さらに苦しい状況になることを恐れるため・(不幸な自分であれば)他人に優しくしてもらえるから・変化するための苦労を惜しむため、などが考えられます。
では、全ての状況において現状を維持することがベストな選択かというと、そうではありません。現状を維持している間に物事(自分以外の環境)が良い方向に変わっていってくれれば、維持している現状が勝手に改善されていくこともあるでしょうが、それを望むだけで何もしないでいては、逆に、より悪い現状になってしまうこともあるからです。
つらい症状を長期間抱えた人にも、同じことが言えることがあります。客観的に見れば「本当に治りたいのだろうか?」と思ってしまう行動を(それがダメだと知りながら)とり続けてしまう人がいるのです。分かりやすく例えるなら、「痩せたいと言っている人が、我慢できないからと言って甘い物を食べている」ようなものです。「本当は薬は飲みたくない」と言いながら薬を飲んでいるのも同じです。その行動は症状改善の障害になると言わざるをえません。現状を変える(症状を治す)ためには、勇気を持って決断したその気持ちを、労苦を惜しまず行動に移す必要があります。例えば断薬を目的とするならば、最初の一歩としては「仕方なく薬を飲んでいるがそうせざるを得ない状態にしてしまった自分に問題がある」と自覚して、その自分の問題の、より本質的な部分から変えるという行動をしていく決意が大切なのです。
症状を改善させるために一番大切なものは、患者さん自身の治りたいという気持ちです。そして、自分を変えることや苦労することを恐れずに、その気持ちを行動で示すことです。過去と他人は変えられませんが、未来と自分は変えることができます。鍼灸治療を受けていただくことはその行動の大きな一歩であり、きっかけであり、案内であり、お手伝いであり、支えであり、励ましなのです。

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鍼灸(はり・きゅう)は医業(医療)であるという認識について

誤解されている方も多いと思いますが、鍼灸は「医業の一つ」であり「医業類似行為」ではありません。残念ながら、厚生労働省でさえ認識を誤っているのが現状です。ここでは、「私が、鍼灸療法は医業であると認識している理由」を書いていきます。
そもそも法律的に「他人の身体に触れるという行為は基本的に禁止」とされています。その中でも特に、他人の身体に触れる「医療行為(医業)=治療」は医師のみに許されています。医師以外に許されていない理由は、医療行為(治療)は侵襲行為(身体を傷つける行為)になることがあるからです。医師国家資格を持つ者のみ許された「医療行為」ですが、患者の数や医療行為の種類の多さに対して医師の数が昔は圧倒的に足りませんでした。そこで、「医師にのみ許された医療行為の、一部分に関して限定的に許可をする資格」がつくられました。つまり、アバウトに言ってしまえば「医師は医療に関係することは何でもやって良いオールマイティな資格だけれど、医師がするべき仕事の一部分だけを医師以外にも許可するよ」という資格が医療の種類ごとにあるのです。つまり、医業の専門化です。例えば、注射(採血など)は看護師に許され、レントゲン撮影は放射線技師に許されています。同じように、歯科医師は歯科領域の治療(「歯科医師」と「医師」は別の資格です)、薬剤師は薬の調剤、あん摩マッサージ指圧師はあん摩・マッサージ・指圧をする、柔道整復師は「急性期のみ」の捻挫や打撲の治療などが許可されています。このように、それぞれの分野での医療行為のみを許されているさまざまな国家資格がつくられたのです。このように、本来医師にしか許されていない医療行為(医業)ですが、それぞれの国家資格はそれぞれの分野に関してのみ、(本来できるのは医師のみという)限定を解除されているのです。そして「はり治療」に関しては「はり師」が、きゅう治療に関しては「きゅう師」が、それを行うことを許されています。もちろん、はり・きゅう治療を行うことは医師にも許されています。はり・きゅうは、医師も行うことのできる医業(治療行為)の一つなのです。
以上の理由を持って、私は、鍼灸(はり・きゅう)は「医業」として扱われて然るべきものだと認識しています。ちなみに、当院でお出しする領収書には但し書きに「治療費」と書くことができ、確定申告の際に医療費控除の対象とすることができます(これは国税庁のホームページにハッキリと書いてあります。医業類似行為の場合は「治療費」の文言は使えませんし、医療費控除の対象にはできません)。加えて、医業は「業(金銭の発生する仕事)」の場合として制限されており、自宅で自分や家族にお灸をすえるという医療行為は法律に違反することはありません。

では「本当の意味での医業類似行為」とは何を指すべき言葉なのでしょうか?

はり・きゅう・按摩マッサージ指圧は、医師も行うことのできる医療行為の一つです。本来、人の体に触れる医療(=治療)行為は国家資格を持っている者にしか許されていないのですが、「治療ではなく癒しだ」「マッサージではなく、ほぐしだ」「外国では医療として認められている」などの言葉でもって、「もみほぐし」「整体」「カイロプラクティック」「足裏マッサージ」「タイ古式マッサージ」「骨盤ケア」などを行う人や会社が増えました。それにより「医業類似行為」という言葉が生まれ、いつのまにか(世間では医師の行うことだけが医業だとの認識が生まれ)はり・きゅう・按摩マッサージ指圧も医業類似行為だという認識が一般に広がってしまったのです。ちなみに、整体やカイロプラクティックなどを行う方々が「私は資格を持っています」と言うことがあるかもしれませんが、それは民間資格のことであり、法律で認められた(それ故に制限を受ける)国家資格とは異なるものです(まれに、国家資格を持ちながら医業類似行為の仕事をしている人もいます。大型自動二輪の免許を持っていれば普通自動二輪に乗ることは許されますが、逆は許されていないのと同じようなことです)。また、整体などの医業類似行為の施術機関では領収書に「治療費として」と書くことは許されていません。これらは「医業」として認められていないので、医療費控除の対象として税務署が認めていないのです。そして、本来、国としては違法な行為を行う人を取り締まらなければならないのですが、施術所や業者の数があまりに増えた(それにより地方や国の税収や特定団体からの献金なども増えた)ことによって、うやむやのままに放置されているのが現状なのです。

鍼灸以外の治療方法について

インターネットで何でも調べられる時代になりました。改めて必要になってきたのは、情報の真贋を見極める能力です。世間一般の方々があまりご存知はないことも、身近にたくさんあります。例えば、本来法律的には、国家資格がなければ「人の身体に触れる治療行為(医療行為)」は許されていないのですが、整体・カイロ(カイロプラクティック)・足つぼ・エステなどでは、「治療」ではなく「癒し」「ほぐし」「リラクゼーション」「美容目的」などと名称を変えることを法律の抜け道として(マッサージ行為はしていないと主張して)、素人目には治療行為(の一つである、あん摩・マッサージ・指圧)と区別のつかない行為をしているお店がたくさんあります(その証拠に国家資格的に無資格の店舗では「マッサージ」という語句を看板などに不特定多数の人の目に見えるものに掲げていません。法律的に「マッサージ」という文言を看板などに掲げることができるのは、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を持つ者だけだからです。また、国家資格を持っている施術者の店舗では法律的に広告制限があり、具体的な症状名や効果を店頭に掲げることができません(例えば、「腰痛」などの言葉を掲げることはできません)。これは国家資格を持っているが故の制限です。これらすら曖昧にされ気味なのが現状なのですが…)。法律を順守するのであれば、整体や美容サロンなどの他人の身体に触れる職業は国家資格である「あん摩マッサージ指圧師」を取得した上で行われるべきものです。また、柔道整復師による接骨院での保険が効く治療は、法律的には急性期の症状に限られています。慢性的な肩こりや腰痛で、接骨院・整骨院などでは保険を使って治療を受けることはできないのです。当然、(治療者があん摩マッサージ指圧師の資格を持っていなければ)接骨院・整骨院でマッサージ行為を受けることは、本来は法律違反となります。
ともあれ、患者さんの立場からすれば、「自分の身体が良くなればそれでいい」と考えるかもしれません。それは仕方のないことだと思います。アメリカではカイロプラクティックを学ぶ大学がありますし、日本発祥の「レイキ」という気功治療は海外で発展しているようです。国家資格を持っていないから・日本で認知されていないから、効果がないとかダメな治療方法だなどとは思いません。実際に、確かな技術を持って患者さんの症状を軽減させ、多くの人に喜ばれている無資格(適切な国家資格を持っていないという意味)施術者はたくさんいます。患者さんのことを考え、患者さんに喜ばれ、確かな技術を持ち、金儲けに走らない方も多くいらっしゃいます。それはとても素晴らしいことなのですが、問題なのは、資格を持たずに人の身体に触れる治療行為を行うことが、法律的に本来は許されていないという点なのです。技術の高い無免許施術者は、運転技術の高い無免許タクシーと同じようなものなのです。私は、整体やカイロプラクティックを行う方々も、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を取得するべきだと思っています。
「何が正しいか」は物差しの種類と視点によって変わります。年を重ね経験を積むと、大人の論理や社会の事情を知り、正しいことが通らないことが世の中の常だということを知ります。既得権益を守る気持ちがあるからこそ、この文章を書いているという部分も私の中で確実に存在しています。世の中の全てが、善悪に割り切られる訳ではないことを痛感するのです。
他の治療方法や施術家を否定することはしません。ただただ、全ての病に苦しむ方々が正しい知識に基づいて選択をすることによって、症状改善の機会を損失するなどの不利益を被ることが減るように願っています。

 

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