薬をやめる方法(精神安定薬・抗うつ薬・睡眠薬・ステロイド・漢方薬・免疫抑制剤・鎮痛剤など)
なかやま鍼灸院の考え方 2022.04.22
薬をやめるために
精神安定薬(抗不安薬)・抗うつ薬・睡眠薬(睡眠導入剤)・ホルモン薬(ステロイドやピルなど)・免疫抑制剤は一般的な病院で処方されている薬の中で、脳や臓器への影響が強い薬です。いわゆる副作用(副反応)があり依存性(中毒性)があるものも多く、継続して服用することで他の症状の原因になってしまうことがあります。初めから使わない、もしくはできるだけ早期に断薬するべきですが、だからこそ、自分勝手な判断によってではなく医師の指導の下で適切に減薬(=薬の量を減らすこと)し断薬(=薬をやめること)を目指すべきです。
当然ながら同時に、なぜ薬を使わざるを得ない状態になってしまったのかを考え、その原因となる気持ちや生活習慣を変えることが必要です。「本当は飲みたくない」と言いながら薬を飲み続ける患者さんは多いです。しかし、「生まれた時から変わらずにある症状に対して使っているのではなく、誰からも服薬を強制されていない以上、その薬を飲んでいるという現状はあくまであなた自身の意思と選択によるものである」と認識すべきです。自責の念を持たず、すべてを他人や環境のせいにしているうちは、症状の本質的な解決はありません。そこから考えをスタートして「自分の考え方を見直すこと」が、「根本的な解決を目指すということ」につながります。鍼灸治療は自然治癒力(自己回復力)を高め自律神経の働きを整えることで、薬をやめる(断薬)のお手伝いをすることができます。
薬の怖さ:そもそも薬は毒であり急性期症状以外に対して使うべきではない
薬(体外から摂取する化学物質)は、望む(作用)と望まざる(副作用)にかかわらず、心身に影響を与えます。影響がないと自覚するのであれば、それはその時の自分にとってその薬の効果が弱いからです。薬剤が代謝されきらない場合は体内に蓄積され徐々に影響が出ることもあります。現代西洋医学の得意分野は外傷や感染症など急性期症状への対応です。それ以外の慢性的な症状に対して薬では根本的な解決にはならず、一時的な対処にしかなりません。薬でその場をしのいでいる間に、自然治癒力(自己回復力)が自分自身を治してくれているのです。
ご来院される方は決まって「本当は薬は飲みたくないんだけれど…」と言いながら服薬をやめられていません。それは薬への精神的な依存の一歩かもしれません。もしくは、仕方ないから、と、なんだかんだ言い訳をして自分をごまかしながら、安易な方向へ逃避しているのかもしれません。薬を飲んで簡単に楽になるのと、努力や苦労をして楽になることのどちらを選ぶかの違いです。
漢方薬も「薬」です
漢方薬は西洋薬に比べれば副作用は少ないと現代人は思っていますが、漢方薬の本来の使用基準に照らし合わせると、それは正しくありません(生薬と化学的に合成された有効成分に果たして同じ効果があるかを考えると、現代の(生薬でない)漢方薬はその効果が弱くなっており同時に副作用も弱くなっているのであれば、漢方薬は副作用が少ないとの言葉は間違ってはいないですが)。そもそも漢方薬は中国で生まれました。当時の中国の考え方では、日常的には食事で健康を保ち(食養生)、不調があれば鍼や灸で治療し、それで追いつかない急性期の症状に対して漢方薬が処方されていました。もともと漢方薬は短期間に飲むものとして成り立ち、長期間にわたり服用して体質を改善させることを目的とした薬ではないのです。
また、本来の漢方薬の処方には(舌診や脈診などに基づく東洋医学的診断である)「証立て」が必要であり、例えば、同じ症状であっても体質などによって処方される漢方薬が違うことがあります。証立てが間違っていれば当然その漢方薬はその時のその人に効果はありません。つまり、同じ西洋医学的診断名で同じ症状だからといって同じ漢方薬を服用しても、全員が同じ効果を得られるわけではないのです。同じ個人の同じ症状でも、その時の体調などにより適切に効く漢方薬は変わります。効果のある西洋医学的な薬がないから、だとか、自律神経が原因だから(西洋医学的にはよく分からないから)、などの理由で、医師や薬剤師から診療ごとの証立てもされずに漢方薬を処方されていませんか?百歩譲ってそんな漢方薬の処方でも症状がしっかり消えているのであればいいでしょう。明確な症状の改善を実感できていますか?改善されていないのであればいつまで飲み続けるのですか?改善されていたとしていつまでその漢方薬を服用するつもりですか?症状が改善された後にはできるだけ早期に漢方薬の服用をやめるべきなのです。
医原病:薬の服用などの医療的処置などが原因と考えられる病気
「医原病」という概念をご存じでしょうか?医療(薬や検査などの医療的措置)が原因と考えられる病気のことです。分かりやすく言えば薬の副作用が原因の病気のことです。例えば、痛み止めの薬が原因で起こる胃炎。精神安定剤が原因で起こる不安感などもこれに当たります。ワクチンの副作用などはまさに医原病です。例を挙げればキリがありません。これらの存在を誰もが当たり前に知っていますが、多くの人は問題だと思っていません。仕方ないことだ、と思っているのです。
果たして本当に仕方ないことなのでしょうか?その薬は本当に必要なものなのでしょうか?薬以外にその症状を改善させる方法はないのでしょうか?その検査は本当に必要なものなのでしょうか?あまりにも検査や薬に頼りすぎていませんか?安易に症状を軽減させる方法として服薬することを選んでいませんか?必要以上に健康が礼賛され、健康でいなければならないと思わせられているから不必要な医療的措置を受けてしまい、それが原因で更なる病を抱えてしまう。患者が不幸になる反面、誰が喜び幸せになるかと言えばお金の動いた先にいる人たちだけです。
社会毒:現代社会の生んだ毒
TokyoDDCにて断薬を目的とした患者を数多く診察している内海聡医師は著書で「社会毒とは薬から始まりワクチンや精神薬などもそうですし、フッ素、甘いもの(砂糖や人工甘味料)、添加物、遺伝子組み換え食品、農薬、牛乳、汚い油(トランス脂肪酸や酸化した油)、プラスチック毒や環境ホルモン、放射性物質などを総称してさします。もちろんこれ以外にもありますが、文明に応じて普及させられた毒物と考えればよいでしょう。」もしくは「社会毒とは、人間社会が作り出し、本来の自然界(まさに先住民や野生動物の世界)にはなかった物質で、そしてそれが人体に悪影響をもたらす物質のこと」だと言っています。つまり社会毒とは、(昔は存在しなかった)現代社会が生んだ、心身に悪影響を与える毒の総称の概念です。これら社会毒は驚くほど数多く、驚くほど巧妙に現代日本の日常に溶け込んでおり、そのすべてを身体に入れないようにするのはほとんど不可能です。
時々ご長寿の方が「コーラとハンバーガーを毎日食べている。やめろと言った医者はみんな私より先に死んだ」などと言ったりしますが、それは人間には個体差があり健康には個人差があるからです。加えて私も、本人が(現在と未来において健康的に)何も問題がないというのであれば社会毒など気にしないで構わないと思っています。しかし、現在において心身に何かしら問題があるのであれば(または未来においてそれを予防したいと思うのであれば)その原因が社会毒にある可能性を、現代社会に生きる我々は考えざるをえないのです。例えば、肥満・アレルギー・うつ病(などの精神疾患)・自己免疫疾患・いわゆる発達障害と診断される状態、これらの患者数は近年明らかに増加傾向です。多くの場合、社会毒はそれらの症状の原因になっているのです。
なかやま鍼灸院にできること:鍼灸治療によって、自律神経を整える、免疫力を整える。健康に関しての知識を伝える。
鍼灸治療は体外から体内へ余計なものを入れません。あくまで身体の反応として自然治癒力(自己回復力)を高める自然な治療方法だと言えます。自律神経の働きを整えることで、心身が回復へと向かいます。そして何より薬をやめるためには、薬を使っている現在の考え方を変える必要があります。初回に話をする中で、結果として悪い状態の今のあなたを否定することになります。今のあなたがあることの責任の全ては、あなたにあるからです。悪い状態のあなたの全てを肯定してしまえば、その悪い状態をも肯定することになってしまいます。厳しいことも伝えます。依存から脱却するには、自分の生活環境を自分自身の行動で変えるしかないのです。
よく「病院で~と言われたのだけれど…」と患者さんは私に言います。それは現状把握の参考の一つとして私も知りたい情報の一つですが、病院で言われたことが必ずしも正しいとは限らない、という視点から始めなければなりません。少なくとも、病院や医者とは違う視点があるということを理解することができないのであれば、病院だけで治療を受けるべきです(鍼灸治療を受ける理由がありません)。病院を完全に信頼するのであれば、病院に治してもらえばいいのです(その際、治らない場合は、病院を信じた自分が悪かったのだと思いましょう)。少なくとも、当院での治療より病院での治療を優先する人には当院には向きません。あくまでメインを鍼灸治療に置いていただけなければ、私の真剣さとの間に気持ちの温度差ができてしまうからです。「何回で治りますか?」ときかれることも多いです。症状の程度や服薬の期間にもよるので、何回で治るなどは分かりません。その人の気持ちの強さや生活環境によっても進捗は変わります。精神安定薬(抗不安薬)・抗うつ薬・睡眠薬(睡眠導入剤)・ステロイドなどを服用している方は精神的に不安定で不安傾向になっている場合が多いです。気持ちは理解できますが、どんな症状でも最終的に治るか治らないかはその人次第です。しかしそれでも、本当の意味で健康になりたいのであれば、慢性的に服用している薬を減らす方向に進む以外の選択はないのです。私には、原因を考え、症状の改善のステップを提示し、生活習慣の改善方法を伝え、鍼治療をし、患者さんを励ましながら一緒に進むことしかできません。鍼治療で困っている(薬を服用している)症状を改善し、症状の軽減に応じて薬の量を減らす。その際に大切なことは、薬の量を減らしたら戻らないこと。これをくり返すことで断薬を目指します。
最後に:薬をやめられるかは、あなた次第
長文になってしまいましたが、あなたが本気で薬に関連して自分の健康を考える人ならばゆっくり時間をかけてでも、努力を惜しまず全文を最後まで読み理解しようとするでしょう。自分を変えるためには自分の頭に入りにくいことを学ぶことこそ大切なのに、自分で理解しにくいところを読み飛ばして自分の望む結果だけを得ようとする人は、それが根本的な解決にはならない原因の一つだと知ってください。他ならぬ自分の健康は他人任せにせず、自分で考えるべきなのです。
何度もくり返してお伝えしますが、すべての薬は極力服用するべきではなく、もしも既に服用してしまっているのであれば自分勝手な判断によってではなく医師または薬剤師の指導の下で適切に量を減らし断薬を目指すべきです。鍼灸治療は薬の服用をやめるためのお手伝いができます。本気で減薬・断薬したい方は、ぜひ一度なかやま鍼灸院にご相談ください。
最後になってしまいましたが、念のために。私は西洋医学の全てを否定してはいません。鍼灸には適応症状があります。激痛や出血を伴う急性期症状や、細菌やウイルスが原因による感染症への治療は、西洋医学の得意とする分野です。それらの症状に対しては(基本的に)鍼灸では対応できません。そして、救急救命の場など命を救うことや身体機能の喪失を防ぐことが直近の目的であれば、身体に負担をかける副作用のある薬であろうと迷わず使うべきです(輸血は可能な限り生理食塩水で代用したほうが治療効果は向上するようです)。脳出血や心筋梗塞等も同様ですが、そもそも疾患に関してはそうならないための日常生活上での常日頃からの健康増進の努力が必要なのです。西洋医学や薬を信用しすぎず頼りすぎることなく、東洋医学的考えも踏まえて、全ての人に自分の健康を大切にしていただきたく思います。
適応症状一覧
- アトピー性皮膚炎の鍼灸治療
- アルコール性肝疾患の鍼灸治療
- うつ症状(鬱病)の鍼灸治療
- 円形脱毛症の鍼灸治療
- 潰瘍性大腸炎(UC)の鍼灸治療
- 過活動膀胱(間質性膀胱炎)の
鍼灸治療 - 顎関節症・はぎしりの鍼灸治療
- 肩関節周囲炎
(四十肩・五十肩)の鍼灸治療 - 肩こり・首こりの鍼灸治療
- 過敏性腸症候群(IBS)
:便秘・下痢・ガス型の鍼灸治療 - 花粉症の鍼灸治療
- 眼精疲労(目の疲れ、ドライアイ)
の鍼灸治療 - 顔面けいれんの鍼灸治療
- ぎっくり腰(急性腰痛)・
ぎっくり背中・ぎっくり首(寝違い)の鍼灸治療 - 逆流性食道炎(胃食道逆流症)の
鍼灸治療 - 外科手術後の炎症
(特に腫脹:腫れ)の鍼灸治療 - 下痢(軟便)の鍼灸治療
- 減量・ダイエット指導の鍼灸治療
- 更年期障害の鍼灸治療
- 股関節痛(変形性股関節症など)の
鍼灸治療 - ゴルフを楽しむための
鍼灸治療の鍼灸治療 - 逆子(骨盤位)の鍼灸治療
- 坐骨神経痛の鍼灸治療
- 耳管開放症・耳管狭窄症の
鍼灸治療 - 上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の
鍼灸治療 - 自律神経の不調
(自律神経失調症)の鍼灸治療 - 心身症の鍼灸治療
- シンスプリントの鍼灸治療
- 陣痛促進・安産の鍼灸治療
- 睡眠時無呼吸症候群(閉塞性)の
鍼灸治療 - 頭痛の鍼灸治療
- スポーツ障害の鍼灸治療
- 生理痛の鍼灸治療
- 足底筋膜炎
(足の裏、踵の痛み)の鍼灸治療 - 帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛の
鍼灸治療 - 男性不妊の鍼灸治療
- 痔(ぢ)の鍼灸治療
- 椎間板ヘルニア(頚椎・腰椎)の
鍼灸治療 - 糖尿病の鍼灸治療
- 突発性難聴(聴力低下・耳鳴り・
耳閉感・めまい、など)の鍼灸治療 - 寝たきり・歩行困難・
訪問施術の鍼灸治療 - 肉離れの鍼灸治療
- 冷え性の鍼灸治療
- 膝痛(変形性膝関節症など)の
鍼灸治療 - 美容鍼灸(美顔鍼)の鍼灸治療
- 疲労回復・ストレス解消・
健康増進の鍼灸治療 - 不育症・流産の鍼灸治療
- 不妊症(不妊治療)の鍼灸治療
- 不妊治療を受けられる方への
鍼灸治療 - 不眠症(睡眠障害)の鍼灸治療
- ベル麻痺(顔面神経麻痺)の
鍼灸治療 - 便秘(慢性便秘)の鍼灸治療
- 勃起不全(ED)の鍼灸治療
- 慢性副鼻腔炎(蓄膿症)の鍼灸治療
- むくみ(浮腫み)の鍼灸治療
- むちうち(交通事故治療)の
鍼灸治療 - メニエール病の鍼灸治療
- めまい・ふらつきの鍼灸治療
- 免疫力を高める治療の鍼灸治療
- 夜尿症(子供のおねしょ)の
鍼灸治療 - 夜泣き・疳虫(かんむし)の
鍼灸治療 - 腰痛症の鍼灸治療
- (腰部)脊柱管狭窄症の鍼灸治療
- ランナーのための鍼灸治療
- 緑内障の鍼灸治療